大学生の家庭観・性役割観に与える高校家庭科男女共修の影響 家庭科の男女必修施行前後に高校に入学した学生の家庭観、性役割観の変化を調査した結果、以下のことが明らかになった。 (1)「食生活」「保育」の学習は、男女とも比較的重点をおいて学習されていた。被服実習は、男女に差があり、特に施設の少ない男子校での学習が低調であった。 (2)伝統的家庭観、性役割観に関する質問項目の尺度得点平均値には、男女で相違があり、女子は否定する傾向(革新的、ジェンダーフリーの傾向)が強く、男子は肯定する傾向(保守的、ジェンダーバイアスの傾向)が強かった。 (3)家庭科の学習をした男子(男女必修施行後)は、学習をしなかった男子(男女必修施行前)より、家庭観・性役割観は、革新的、ジェンダーフリーの方向に変化した。しかし、女子はその逆であった。結果として、男女の家庭観、性役割観は似たものとなった。 |